『イージー★ライダー』(69年)の大ヒットを受け、アメリカン・ニューシネマの登場に湧いてい
た、70年代のハリウッド。『断絶』は、ユニヴァーサル映画が、『さすらいのカウボーイ』(71年
/ピーター・フォンダ)『ラストムービー』(71年/デニス・ホッパー)とともに起死回生の企画と
して仕掛けた野心作だった。しかし興行的には惨敗し、モンテ・ヘルマンがメジャー映画から遠
ざかる原因となったいわくつきの作品である。
主演に70年代を代表するシンガーソングライター、ジェームス・テイラーとビーチ・ボーイズのデ
ニス・ウィルソンを起用、そして彼らとレースをする中年男役に、サム・ペキンパーやピーター・
フォンダ作品の常連である名優ウォーレン・オーツ。ヒロインは、アート・ガーファンクルとの交
際でも知られる、当時無名のローリー・バードが演じた。ウォーレン・オーツ以外、プロの俳優は
使わず、撮影直前にそのシーンの台詞を手渡し彼らの即興的演技を引き出したという。また
撮影は映画の物語と同じLAからワシントンDCまでのコースを辿り、撮影自体が一種のドキュ
メンタリーとして行われた。
70年代アメリカのフリーウェイを疾走する2台の車と、愛と孤独を求めて彷徨う若者たち。『断
絶』はアメリカン70sを体現する、アメリカン・ニューシネマの金字塔的作品であり、孤高の
ロードムーヴィーである。
